research

Q&A

アナウンス:研究室訪問は12/19午前中までに行ってください.(梶本は19日午後から出張します)

研究室の方針を教えてください

現在のところ触覚を中心としたバーチャルリアリティ/ヒューマンインタフェースの研究を行っていますが,これらの分野にこだわる必要は全くありません.研究をする目的は「もっと(我々の認識するこの)世界を楽しくすること」に他ならず,インタフェースの研究はそのための効率の良い道の一つにすぎないからです.

学部学生が研究室に配属されると,まずスタッフや先輩から研究テーマの候補を提示されます,その後約1か月半は技術的な講習会を行います.プログラミング,電子回路,機械工作など,研究に必要なスキルを短時間で身に付けることになります.またこの期間中もその後も,研究分野に関係するイベントや施設にたびたび訪問して見聞を広げる機会を設けています.

講習の傍ら考え,6月には提示されていた研究テーマのうちのどれかを選択して研究をスタートします.しかしこの時点で,すでに自分で面白いアイデアに到達していれば,研究室はそのアイデアを実現するための場所となるでしょう.また研究中に発見した新たなテーマを掘り進めることは大いに推奨されます(というよりも,それが研究です).本研究室では,自分で提案できることがとても重要です.
同時にIVRC(国際学生対抗VRコンテスト)ヒューマンメディア工房学内の発明コンテスト等のコンテストに自力で応募する事を強く薦めています.こちらは教員は干渉せず,アイデア出しから展示までの行程すべてを学生が自力で実現するための体験の場ととらえています.つまり研究室では二つの並行したトラックがあると考えて良いでしょう.

学生実験やレポートであれば,面白いことを考えたり,実現するだけで単位をもらえたと思います.しかし研究では,そのアイデアが世界で唯一であることが求められます.
世界と言うと50億人もいるわけですから,これは大変なことです.残念ながら天才ではないかもしれない我々が,「誰よりも先に進んだアイデア」に到達するためには,「誰よりも長い時間そのことを考える」しかありません.
研究においては教員も,この「誰よりも先を見る」レースの出走者の一人にすぎません.ギリギリの線を狙うあまり,それが実は実現不可能だった,ということはあり得ます.特に当研究室はそれが多いところです.これは自慢にはなりませんが,それだけ誰もやった事のないことにこだわっているという事です.

開発競争が激しいというイメージでしょうか?

ここまで読んでもし,研究に開発競争のようなイメージを持ってしまったとしたら,それは誤解です.
一言でいえば,得られる幸せの中身が違います.研究で得られる幸福は,他人より早く成し遂げることによって生まれるものではありません.またあえて言えば,研究の成果が社会の役に立ったという達成感も,研究における幸福の最大要素ではありません.その研究が内包している「意味」を,誰よりも深く理解したと確信できること,大げさに言えば[悟った!」と思えることが研究における最大の幸せです.
そう思ったら自然に他人に言いふらしたくなるでしょう?それが研究発表です.でもその悟ったことが,実は既に知られていることだったら恥ずかしいでしょう?だから世界で唯一になるまで考える必要があるということです.

どのようなスキルが要求されますか?

バーチャルリアリティ/ヒューマンインタフェースに関わる研究は,ハードウエアの製作をしなければ示せないことがほとんどです.このため電子回路製作(マイコン程度),プログラミング(主にC言語),機械工作などは一通り経験することになるでしょう.これらのスキルを事前に持っている必要はありませんし,プロフェッショナルなプログラマや設計者の育成が目的ではないので,研究に必要なだけその場その場で学べば結構です.ただ物づくりが好きである必要はあります.電通大では多くの学部の授業,工房等で物づくりを体験する機会があります.そうした授業に積極的に出ておくとなお良いでしょう.
特に人間コミュニケーション学科ではヒューマンメディア工房(西6号館401号室)という,ものつくりを一通り行える優れた設備環境があり,学生が自由に使うことができます.

事前に読んでおくべき本はありますか?

事前に教科書を読んでおく必要はありません.また受けておくべき授業もありません. 研究室希望前にこの分野を知っておかないと不安であれば,次のような書籍があります.

  • バーチャルリアリティ入門:舘暲,筑摩書房(2002)

これまでの経験上,バーチャルリアリティ/ヒューマンインタフェースに関する自分なりの夢ないし妄想を持つことの出来る人ほど研究も進むようです.この分野は多くの小説,漫画,映画,ゲーム,アニメ等に取り上げられていますので,そうしたものを通して自分なりの立ち位置を作るように心がければ話が通じやすいでしょう.

研究したい分野は決まっているのですが...

電気通信大学は現在,世界で最もVR,ヒューマンインタフェース,触覚等に関する研究室が集まっている場所の一つと言えます.この分野を研究したいがどの研究室を選んだらよいか分からない,という人のために,長谷川研究室が研究室選択のためのマップを用意されています.参考にしてください.

他大学/他学科/社会人からの進学は可能ですか?

可能です.学部の卒論配属は3年生の12月,大学院の入試情報は大学の入試案内を参照ください.どの場合も事前に配属希望先の教員の了解を得る必要があります.早めにメールにて連絡ください. なお本研究室は学部にとどまらず修士(博士前期課程)まで,修士にとどまらず博士課程(博士後期課程)まで進学することを推奨しています.

どのくらい大変ですか?

客観的に見て忙しい研究室でしょう.2007年度の例では学部生を含め全員が9月の国内学会で発表し,その傍らIVRCに出場しました.研究にのめりこめる人であれば幸せになれる研究室ですが,そうでないとつらいかもしれません.
まだ新しい研究室のため海外発表の経験はありませんが,修士課程の学生は年間1件以上,博士課程の学生は年間2件以上の国際学会での発表が標準となるでしょう.これを「海外旅行が出来る!」と思える人のほうが,そう思えない人よりも向いているでしょう.

  • (参考)年間計画(2007年11月作成)&ref(): File not found: "Schedule2007Nov.jpg" at page "InvitationForStudents";

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